音楽でつながる人間交差点『グレヒ』
中古レコードのあたたかみに触れる

西大須と呼ばれる大須西側のエリアに『Gratest Hits』通称『グレヒ』はある。入店前に手指消毒し、中へ入ると奥行きがある店内には中古を中心としたＣＤとレコードがずらり。お客さんは熱心にレコードをディグ（掘る）っている。サブスクで世界中の音楽が聴ける時代に、彼らを夢中にさせるレコードの魅力とは何なのだろう。 　音質の話を置いておくと、両

者の一番の違いはモノかそうでないかだ。目で見て匂いや手触りを感じることができる。さらに中古ならではの魅力は、かつて誰かのモノだったレコードが人の手に渡ることで、感性を繋ぐバトンとなるところだ。誰かが聴き飽きたレコードが、誰かには新鮮な衝撃となる。ジャケットに挟まれたラブレターを見た後に聴くアルバムは、知らぬ誰かの恋模様を想像させる。音楽を聴くという行為が、温度と重みを持つ体験になる。断捨離がトレンドの世の中だが、モノへの愛着ってのも大事にしたい。 　生粋の大須っ子で人情味溢れる店主の高嶋さんとおしゃべりに来るお客さんも少なvくない。人情味という言葉がレコードそのものを表す言葉としてもぴったりなのかもしれない。音楽という共通項を通じて様々な人が出会いドラマが生まれる、そんな空間がグレヒなのだ。

前回延期したセールを2/26から開催予定です。